|
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT メールマガジン 2006年7月13日号
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
※本メールマガジンは毎月2週目と4週目にお送りします。購読は無料です。
こんにちは、NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT編集部の澤田です。
この間、久しぶりに風邪を引き、内科を受診しました。かかりつけの病院が休診で、他の病院に行ったのですが、病院を変えると、今までの診療データが引き継がれなくて本当に不便ですよね。どこに行っても、かかりつけの病院と同じように診てもらえるといいのですが。
さて、今回は医療カードのお話。陸続きのヨーロッパならではの試みです。近い将来自分の国だけではなく、隣の国に行っても、同じように診てもらえる日が来るかも知れません。
■ ■ ■ インデックス ■ ■ ■
■メインレポート:ヘルスケア
ヨーロッパにおけるeヘルス及びヨーロッパ医療保険カードの取り組み
[eヘルスについて]
[ヨーロッパにおけるeヘルスの概要]
[EHIC:ヨーロッパ医療保険カード]
[各国の医療・保険システムとの整合性]
■最近のニュースから
・新サービス
・市場動向
■AgileNetコラムNo.46
ITは「危機管理の魔法」になれるか?
■ワールドレポート新着情報
1.韓国における電子政府の推進体制と人材育成(アジア2006年7月13日)
2.CIO補佐官の役割と求められる人材像− 丸山 博義 経済産業省CIO補佐官 兼 内閣官房情報通信技術(IT)担当室 電子政府推進管理室(GPMO)補佐官−(有識者インタビュー2006年7月6日)
■メインレポート:ヘルスケア
------------------------------------------------------------
ヨーロッパにおけるeヘルス及びヨーロッパ医療保険カードの取り組み
------------------------------------------------------------
今回はヨーロッパの取り組みについて紹介します。
eヘルスはEC委員会がヨーロッパ救急ヘルスカードの導入を1983年に提唱して以来、医療戦略において重要な位置を占めています。特にEU加盟国では、経済成長、人と物の可動性の向上、高度専門職に対する雇用創造の鍵となることが期待されています。
[eヘルスについて]
・eヘルスとは、インターネット等の新しい技術を使用することで、健康と医療をより向上させる取り組みの総称です。
・eヘルスによって、健康に関する正確な情報の迅速な提供、医療の効率向上による医療コストの適正化、医療機関での医療及び公衆衛生サービスの質の向上、追跡可能な電子文書による医療事故予防等に寄与することが期待されます。
[ヨーロッパにおけるeヘルスの概要]
・ヨーロッパの国々はそれぞれ異なる社会保障制度を有しています。EUはヨーロッパにおけるeヘルスを推進していますが、ヨーロッパ全体またはEU加盟国共通の標準化された医療システム、保険システムを導入することは困難であるとの認識を持っています。
・EUは、EU加盟国市民の可動性を高めるため、患者の国籍やヘルスケア施設の所在地に関係なく、全てのEU加盟国市民にヘルスケアを提供するという共通の目標を持っています。
・仕組みに関しては、
- 情報の安全性の確保
- プライバシーの保護
- 患者データへのユニバーサルアクセスを確立すること
- そのためにはICカードとネットワークを経由した大規模サーバの活用が有効である
という一定の合意がなされています。
[EHIC:ヨーロッパ医療保険カード]
・EUは医療へのICカードの導入とICカードに国家間の相互運用性を持たせることを目指しています。
・ヨーロッパ医療保険カード(EHIC:European Health Insurance Card)はEU委員会による導入の合意を受け、EU25カ国、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェイ及びスイスの各国で導入されている医療保険カードです。カード所有者が、旅行・仕事等での滞在中に、医療へのアクセスを容易にするという目的を持っています。
・2006年1月1日より、個人的または仕事上の理由で上記29カ国の国民が他国を訪問する際には必ず持つよう推奨されています。
・カード所有者は、他国を訪問中に医療サービスが必要になった場合には、EHICを提示することによって訪問国の国民と同様に医療サービスを受けることができるとともに、治療費用等を支払った場合は迅速に償還払い手続きを行うことができます。
・医療サービス提供者は、EHICが提示された場合は、カード所有者の健康状態や滞在目的・日数などを勘案して必要なだけの医療サービスを提供することとなっています。
・カードに記載する情報は、国コード、カード所有者の氏名、生年月日、ID番号が必須であり、現状は個人の医療記録は格納されていません。
・現在29カ国がEHICの仕組みを採用し、カードを発行しています。各国のカードは、既存の医療システムや医療カードとの整合性をとるために、一枚のカードの1面をEHIC機能(共通デザイン)とし、もう1面に各国の既存の医療カード等の機能を持たせることが認められています。
・現段階ではEHICにICチップ/磁気ストリップ等の機能を付与するかどうかは各国の判断となっていますが、2008年にはICカードとして相互運用性を確立してヨーロッパ全体のeヘルスシステムの一部として運用し、情報交換、不正利用防止等を行うことを目指しています。
[各国の医療・保険システムとの整合性]
現在ヨーロッパのいくつかの国においては、国レベルの医療IT化が進んでいます。また、EHIC以前にICチップつきの医療カードシステムを導入していた国々もあり、EHICは各国においてそれぞれの国の仕組みと整合性をとりながら進んでいくことが予想されます。
[NTTデータからのコメント]
医療のIT化、総合運用性のあるEHR(生涯電子カルテ)について議論する際に、各個人の医療情報の共有によってどのようなメリットがあるのか、という議論がよく聞かれます。ヨーロッパ各国間は、就学・就業、仕事、旅行等により人の移動が活発です。EU全体で各個人の医療情報の共有が図られれば、その動きはより加速され、経済効果という形で情報共有のメリットが明確になるかもしれません。さらには、ヨーロッパ域内にとどまらず将来は、全世界規模での医療情報の活用という動きにつながるかもしれません。
・European Health Insurance Cardについて
European Commission[英語サイト]
■最近のニュースから
-------------------------------------------------------------
新サービス
-------------------------------------------------------------
(1)全米ビジネスセンター(NBC)が電子認証サービス利用へ(7月7日)
・内務省は、大統領指令(HSPD-12)と人事管理Line of Business(LoB)のための製品・サービス獲得を必要としており、内務省管轄下のNBCは、ITサービス入札のための事前要望書を発表した。
・事前要望書によれば、NBCは長年に渡って財務、IT、給与、人事管理、その他サービスを内務省やその他省庁に提供してきており、今後そのサービスを拡大していくといい、NBCはまた、HSPD-12のために、電子認証、登録、判断、インフラサービス、IDカード生産と売り上げ記録の提供を、人事管理用には、ビジネスプランニング、システムエンジニアリング、システムインテグレーションサービスを求めている。
・Federal Computer Week(2006年7月7日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)ウェブベースのコーチングシステムが一時解雇職員を支援(7月5日)
・労働省の職員訓練局にシステム提供を行ったのはDevelopment InfoStructure(Devis)で、このシステムは既存の労働省ウェブサイト上に追加され、一時解雇職員に対して各種リソースへのナビゲートを行っており、Devis代表のPeter Gallagher氏は、「このシステムによって、専門家は、複数の外部ウェブサイトからリソースを引き出すことができる」と語る。
・このシステムはまた、編集者やプロジェクトマネージャがセキュアなインターフェースを通して、コンテンツ管理が行えるような機能を提供している、EZ Reusable Objects(EZRO)と呼ばれるオープンソースベースのコンテンツ管理システムを通して運営されていて、コンテンツの一般公開管理も同時に行っている。
・Federal Computer Week(2006年7月5日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(3)調達のコンプライアンスを支援するソフトウェア(6月21日)
・連邦調達庁(GSA)が使用しているAcquisition Planning Wizard(APW)と呼ばれるこのソフトは、Development InfoStructure(Devis)がデザインしたウェブベースのソフトウェアで、連邦の調達規則に準拠した購入プランの自動生成、プランの承認プロセスの高速化のほか、省庁間の調達プロセスの一貫性も保証するもので、2,000人以上のGSA職員は既に5,500件のプランを作成するためにAPWを使用しており、約50億ドルの連邦調達規制とベストプラクティスに準拠する調達を支援していることになる。
・APWは、Red Hat LinuxやJ2EE、PostgreSQLといったオープンソースソフトウェア製品に依存しているため、ライセンス料金を削減し、削減した分を他のリソースに投資することができるようになっており、DevisのCTOであるMartin Hudson氏は、「連邦調達政策の変更を反映するために、APWは継続的に更新されるため、APWはGSAの利用者に「ジャストインタイム」の調達ガイダンスを提供していることになる」と話している。
・Federal Computer Week(2006年6月21日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(4)史上最高記録を獲得した連邦政府ウェブサイトの消費者満足度(6月20日)
・ACSIの電子政府満足度指数によれば、2006年第二四半期のポイントは100ポイント中74ポイントで、第一四半期より0.7ポイント上昇し、ACSIレポートを執筆したLarry Freed氏は、「連邦政府のウェブサイトが『消費者の声』を収集し、その声に従って決定を下すと、消費者の満足度や将来の動向に最もインパクトを与える分野のリソースに集中することができる」と話している。
・調査は92のウェブサイトで4つのカテゴリーに分かれて行われ、そのうち20サイトが80ポイント以上を獲得した。順位は次の通り。
- 第一位:88ポイント
社会保障庁の「インターネット社会保障給付金申請サイト」
- 第二位:87ポイント
高齢者向け医療保険制度であるメディケアの「処方薬プラン費用サイト
- 第三位:85ポイント
国立衛生研究所の「疾病インデックスサイト」
国立衛生研究所の「全米医学図書館サイト」
・Federal Computer Week(2006年6月20日記事)[英語サイト]
・The American Customer Satisfaction Index[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
市場動向
-------------------------------------------------------------
(1)連邦通信委員会(FCC)、災害時の通信についてコメントを募集(7月7日)
・FCCは、自然災害やテロ攻撃後の、通信インフラストラクチャ復旧能力を改善するための規則を提案したが、実際に規則を提案したのは「Independent Panel Reviewin the Impact of Hurricane Katrina」で、この組織が6月19日に規則を提案した。
・今回のパブリックコメントでは、この規則に対する意見とともに改善案も募集していて、官報によれば、FCCは、次のような点に関して、コメントを欲しているという。
- 主要通信プロバイダとインフラストラクチャが、迅速に通信復旧を行うこと
- FCCによる、パネルにより設定された目標を達成するための情報収集の必要性
- ITを利用して収集された情報の質を向上させ、かつ、量を最小化する方法
- 通信プロバイダ等への阻害の防止のため、インフラストラクチャと営利活動に関するセンシティブな情報の保護
・Federal Computer Week(2006年7月7日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)GAOレポート:Networxへの移行準備(7月6日)
・Networxとは、FTS2001と呼ばれる現行の連邦通信サービスの期限終了に伴い連邦調達庁(GSA)が来年から予定している複合通信契約のことで、いくつかのサービスについては、他の契約を選択する可能性はあるが、ほぼ全ての省庁がNetworxへの移行を期待されている。
・今回の調査対象省庁には、月額通信費利用料が高い50省庁の中から、エネルギー省、法務省、内務省、連邦捜査局(FBI)、土地管理局、GSAの6機関が抽出され、全6機関は、音声サービスのNetworx利用を計画中などの調査結果が出ている。
・Federal Computer Week(2006年7月6日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
-------------------------------------------------------------
(3)GAOレポート:国土安全保障省(DHS)が優先歳出権限を利用せず(6月21日)
・2007年9月30日に終了予定の優先歳出権限とは、2002年国土安全保障法のセクション833で規定されている権限で、連邦調達法のもとDHS長官がサービス財の購入を検討する際に、特別な簡易手続きで使える金額の上限を500万ドルから750万ドルへ引き上げる、等の、より早い柔軟な歳出能力をDHSに与えている。
・GAOの調達資源管理部門ディレクターのWilliam Woods氏が20日に発表した文書によれば、DHSの実態は次の通りであるという。
・DHSの調達監視ディレクターによれば、既存の権限で、DHSの要求は満たされていたため、特別権限の利用は必要とされていなかった
・DHS職員は、GAOに対して、連邦調達規制は、必要な理由と承認が得られれば、無競争による契約を許可していると話したが、このような簡易調達手続きでは、2,000ドルから2,100ドル、たった100ドルの増額しか認めていない。
・さらにDHS職員は、セクション833で提供された権限の拡大は、相対的に小額の増額にも関わらず、対応に要求されている時間と労力に見合っていないと話していた
・新しいものの普及には時間がかかる
・DHS職員はGAOに対する追加コメントを発表していない
・Federal Computer Week(2006年6月21日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
-------------------------------------------------------------
(4)農務省(USDA)、システム侵入を捜査(6月20日)
・6月2日の週末に、何者かがUSDAの個人情報を含むシステムに侵入した形跡があることが、サイバーセキュリティ職員によって発見されたため、現在の職員と退職した職員および請負業者を含む26,000人の個人情報が危険に晒されているという。
・6月6日に、USDAのMike Hohanns長官が最初の報告を受けた時は、個人データは安全で保護されているという説明であったが、その後の調査で個人情報が危険に晒されている可能性があることが明らかになり、コンピュータ犯罪科学捜査官は、システムにアクセスの形跡があったことは認めたが、個人情報を含むデータベースが閲覧されたりダウンロードされたりしたかという点についてはわかっていないという。
・Federal Computer Week(2006年6月20日記事)[英語サイト]
■AgileNetコラムNo.46
------------------------------------------------------------
ITは「危機管理の魔法」になれるか?
------------------------------------------------------------
「キキ」という名の少女が主役の映画を観た。宮崎駿監督の「魔女の宅急便」である。親父ギャグが好きな(?)筆者が、「キキの苗字は“電子”かな(つまり、フルネームは“電子機器”)」とつぶやいたところ、家族に「それを言うなら、キキが苗字で名前が“管理”(つまり“危機管理”)でしょう」と切り返されてしまった。
こんなやり取りがあったのは、北朝鮮からのミサイル発射の可能性が取りざたされ始めた頃のこと。飛来するミサイルを始末してくれる小さな魔女が現れるまでは、自分たちでしっかり対策を講じなければならない。
ミサイル危機とは比べるべくもない話だが、先日ワシントンDC周辺に集中豪雨があった際、日本から安否確認の連絡があった。電車が止まった・家屋が浸水したというニュースが日本で流れたらしく、それに反応したようだが、実際には社員の住む地域や職場の周辺では普段の大雨と大差なかったので、連絡が来て逆に驚いてしまった。というのも、2004年11月、当社の社員が通勤に利用する地下鉄路線で列車同士が衝突し、車両が別の車両に乗り上げて大破するという大事故があったのだが、その際には安否確認はなかったからだ。災害対応における危機管理では情報共有が鍵となるが、同じ組織であっても現場と本部でこのような感覚のずれが生じてしまうのだから、組織をまたいだ情報共有がさらに難しいことは言うまでもない。
危機管理は筆者にとって大きなテーマのひとつだが、最近は特に詳しく調査している。この秋にはNTTデータとして書籍も出版する予定なので、是非期待していただきたい(といいつつ、今のところ最大の“危機”は原稿の遅れなのだが・・・)。
NTT DATA AgileNet (岡田)
■ワールドレポート新着情報
------------------------------------------------------------
1.(アジア)韓国における電子政府の推進体制と人材育成(2006年7月13日)
韓国における電子政府のITガバナンスは、大統領直轄の政府革新地方分権委員会とその事務局を担当する行政自治部、および、各省庁の情報統括官(CIO)およびCIO協議会によって実施されている。また、これらの組織運営においてますます人的能力の重要性が意識され、様々な人材育成の取組みが進められている。
------------------------------------------------------------
2.(有識者インタビュー)CIO補佐官の役割と求められる人材像− 丸山 博義 経済産業省CIO補佐官 兼 内閣官房情報通信技術(IT)担当室 電子政府推進管理室(GPMO)補佐官−(2006年7月6日)
民間企業においてはCIO、行政機関においてはCIO補佐官といった、高度なITスキルを持つ人材への期待が近年高まりつつある。今回は経済産業省CIO補佐官である丸山博義氏に、CIO補佐官等の人材に求められている役割と、人材の育成について語っていただいた。
------------------------------------------------------------
|