|
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT メールマガジン 2006年6月22日号
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
※本メールマガジンは毎月2週目と4週目にお送りします。購読は無料です。
こんにちは、NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT編集部の村岸です。
すっかり梅雨空の東京ですが、沖縄はすでに梅雨明けと報道されていて、こういうときに日本列島の長さを感じますね。
さて、今回のメインニュースはeへルスです。ケンタッキー州の新生児からのEHR(生涯電子カルテ)の取り組み、これだと本当に一生モノの電子カルテ情報が整備されそうです。ただ、州を越えてデータが使える時期までは、引っ越せませんね。
■ ■ ■ インデックス ■ ■ ■
■メインレポート
州政府における医療分野のIT導入、財務モデル確立が課題
[連邦政府の取組み −退役軍人省(VA)と国防総省(DOD)−] [州政府の取組み −ロードアイランド州知事の講演から−] [州政府の取組み −ケンタッキー州知事の講演から−]
■最近のニュースから
・新サービス
・市場動向
■AgileNetコラムNo.45
便利なUSBメモリ、拾ったらどうする?
■ワールドレポート新着情報 1.ITプロジェクトを成功に導く調整役:COE(Centre of Excellence)(欧州2006年6月22日)
2.オーストラリアにおけるITガバナンスの組織体制(オセアニア2006年6月15日)
■メインレポート
------------------------------------------------------------
州政府における医療分野のIT導入、財務モデル確立が課題
------------------------------------------------------------
6月15と16日、ワシントンDCにて「Government Health ITカンファレンス」が開催されました。「政策、アプリケーション、技術」と「ケーススタディ」の2つのセッションが用意され、参加者約400名に対して、連邦政府の取組みや地域医療へのIT導入の報告が行われました。今回は、このカンファレンスの概要についてお伝えします。
[連邦政府の取組み −退役軍人省(VA)と国防総省(DOD)−]
・DODは同省の軍事医療システム(MHS)において、VAで利用されている医療画像システムを導入すると発表した。
・MHSのCIOであるCarl Hendricks氏は、次のように語っている。
- 今回の決定は、VAとDODの医療ITシステムが同じ方向へ向かっていることを示している。
- 優れたVAの画像システムを導入するのは当然である。
- DODの標準に準拠する、VAの画像システムの規格を可能な限り使いたい。
- 画像システム改善のためにVAと協働していく。
・退役軍人健康庁(VHA)の医療部門最高医療情報責任者Robert Kolodner氏によれば、ほとんどの医療画像システムは、画像のアーカイブ化とX線画像のデジタル化、格納、管理を主な目的として設計された通信システムとして捉えられているが、VAの画像システムは、次のようなことができるという。
- 網膜スキャンデータの格納・管理と、患者の電子記録システムへの、画像エクスポート
- 紙のカルテのスキャニング
・MHSのHendricks氏は、「紙のカルテのスキャニングは、DOD管轄医療機関以外で治療を受けた患者のカルテをインポートするために役立つ」と語る。
・またCHDRと呼ばれる、DODとVAのデータリポジトリ相互運用性プロジェクトでは、すでに医療関連データの交換を実現している。
[州政府の取組み −ロードアイランド州知事の講演から−]
・州全体をカバーするEHRリポジトリ構築のため、2,000万ドルの借り入れを州議会が承認した。
・背景は以下の通り。
- 医療費の急速な増加。連邦政府とともに管理に関与しているメディケイドの負担は、州予算全体の24%を占めている。
- 州の年間医療費支出である60億ドルのうち、約30%にあたる20億ドルは、必要な情報が必要な時に入手できないために発生する無駄な支出である。患者に行われる診断テストの20%は不要といえる。
・今回のEHRリポジトリについては、パブリックプライベートパートナーシップ(PPP)で構築されるべきであるとともに、市民の信頼を得るために公共セクタの監視が必要としている。
・財務モデルはまだ決まっていないが、(州知事は)トランザクション単位の少額決済を望んでいる。
[州政府の取組み −ケンタッキー州知事の講演から−]
・新生児のデータベースを構築し、州全体をカバーするEHRプログラムの立ち上げを決定した。医療関係者が、新生児の生涯を通じて、記録を更新する。
・技術は、薬剤の複雑さを解決するため、また、複数の医師に診療される患者の情報を共有するために不可欠なツールである。
・EHRシステムによって、データを分析し、慢性病の危険性を発見することができる。
・ケンタッキー州はすでに、重複や相反する処方箋の発行と、良くない薬物間の相互作用を減らす電子処方箋プログラムを開始済で、全米の利用率よりも2、3倍高い利用率である。
・医師や病院が個別に購入するよりも安く、医療ITシステムを構築できるように地域パートナーシップを育てたい。
【NTT DATA AgileNet(弊社米国子会社)によるコメント】
今回報告した講演も含めて印象的だったのは、「連邦政府の投資の下で開発しているものは、最終的に国民に還元する」という姿勢と、「医療ITは医療費を削減する」と断言している発表者が多かったことです。一方で、連邦医療情報ネットワーク(NHIN)のプロトタイプ作成を主導しているNorthrop Grumman、Computer Sciences Corp、IBM、Accentureの代表者は、口をそろえて「財務モデル確立が大きな問題の1つ」と語っていました。これは、医療IT投資に対するリターンをどう測定するのか、未だ模索中であることを意味していると考えます。このプロトタイプ作りには、連邦政府が約2,000万ドルの補助金を出しています。各州による、EHRシステム導入決定も踏まえ、今後の対応を注目したいと思います。
上記に関連する情報:
・国防総省が退役軍人省の医療画像システムを導入
GovernmentHealthIT[英語サイト]
・ロードアイランド州、EHRバンクを計画
GovernmentHealthIT[英語サイト]
・ケンタッキー州、新生児からEHRを開始
GovernmentHealthIT[英語サイト]
■最近のニュースから
-------------------------------------------------------------
新サービス
-------------------------------------------------------------
(1)Google、政府検索ポータルサイトを公開(6月15日)
・6月15日に公開されたこのサイトはGoogle U.S. Government Searchといい、連邦、州、地方政府のウェブサイトが保有する情報を検索できる政府検索ポータルサイトで、連邦政府職員をターゲットとし、 個人の嗜好に合わせてサイトをカスタマイズでき、業務に関連した情報とともに株価情報やスポーツの得点も提供するほか、RSSを通して他のウェブサイトからの情報も追加できる。
・連邦政府はすでに、検索エンジンClusty.comを運営しているVivisimoと、MicrosoftのMSNサーチが使われているFirstGovという公式の検索サイトを持っていて、Googleが今回公開したウェブサイトとは提携関係を結んでいないが、GoogleのプロダクトマネージャであるKevin Gough氏は、「我々は、FirstGovと競争する考えはなく、FirstGovはディレクトリ構造で、Google U.S. Government Searchは、Googleの強さの中心である検索に注力している」と語っている。
・Federal Computer Week(2006年6月15日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)下院の予算案でE-Government Fundを200万ドル削減へ(6月12日)
・下院予算案は、行政管理予算局(OMB)に対して、一般資金の中の余剰金4,000万ドルを一連の電子政府イニシアチブに提供することを禁じているが、それにもかかわらず、2007年度の運輸省、財務省、住宅・都市開発省、法務省、コロンビア特別区、および独立系省庁予算案では、E-Government Fundは、昨年より3万ドル多い。
・ブッシュ政権はこの予算案において、電子政府イニシアチブによって促進されている連邦政府の情報、ベネフィット、サービスやビジネスチャンスに対して、4,000万ドルを要求しており、予算案には、適切な文書化、信頼性の高いビジネスケース、セキュリティとプライバシーへの配慮、計画に対するパフォーマンスの測定方法を含む、資金利用に関するガイドラインを規定している。
・Federal Computer Week(2006年6月12日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(3)Accenture、公共サービス研究所を設立(6月8日)
・当初はロンドンとワシントンDCにセンターを設置し、政府や政策、公共サービスの改善について議論するカンファレンスを実施するため、学界や政府職員、政府サービス提供企業を集める予定。
・アナウンスによれば、世界規模の公共政策を改善するために、議論と研究を行い、毎年数回のカンファレンスも開催するといい、ディレクターを務めるGreg Parston氏は、「当研究所では、公共価値の創造の管理にフォーカスすることで、政府とその他公共サービス機関が、どれだけ大きな利益をもたらすかということを証明する」と語る。
・Federal Computer Week(2006年6月8日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(4)FBIが戦略情報運用センターサポートを発注(6月6日)
・受注したのは、過去8年間このセンター関連の業務に携わっているAdvanced Technology System(ATS)で、今回の契約は3年間となっており、ワシントンDCにある同センターで、サーバー、電子メール、アプリケーション開発と運用を行う予定である。
・戦略情報運用センターは、前ブッシュ大統領就任式周辺の監視を行うために、1989年に設立され、その後、臨時の緊急措置センターに切り替わり、現在60マイルの光ファイバーケーブルと、3つのLANに接続できる225台のコンピュータが設置されている。
・Federal Computer Week(2006年6月6日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
市場動向
-------------------------------------------------------------
(1)GAO、財務省の情報システム契約を酷評(6月14日)
・対象となった契約システムは、Commerce Information Technology Solutions Next Generation(COMMITS NexGen)で、COMMITS NexGenは、契約における階層構造が早くから評価されており、また政府全体の調達契約の間でも独特な形式であったが、非中小企業が中小企業として業務を受託できるという点が、問題視されている。
・この契約では、北米産業分類(NAICS)コード(中小企業局(SBA)において、中小企業を定義する際の基準を規定したもの)が利用されておらず、受託業者が契約で定められた中小企業の規模であるかを検証することができなくなるため、GAOが本日発行した概要で、以下のように述べている。
- プログラムパフォーマンス評価の指標が完全には導入されていない
- 55の契約社のうち16社が、規定されている企業規模を満たしていない
- 6社はすでに大企業に買収または合併統合されているにも関わらず、契約における企業規模の再認定を受けていない
・Federal Computer Week(2006年6月14日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)エネルギー省(DOE)、サイバー攻撃によるデータ盗難を8ヶ月隠蔽(6月13日)
・先週の下院委員会でようやく公表されたデータ1,500件は、約8ヶ月前に盗難にあった職員と契約先職員の社会保障番号を含んだ個人情報で、犯人は、同省内の半独立機関である国家核安全保障局(NNSA)を狙ったものだったが、盗難に気づいた職員は、同省長官や、盗難の影響を受ける職員に数ヶ月間報告していなかった。
・調査会社Input社の情報セキュリティ部長であるBruce Brody氏は、次のように語る。
- 省庁は通常、情報管理がずさんで、情報を脆弱にする、焦点がずれたセキュリティ政策を行っている
- 表面化していないが、さらなる盗難がすでに起きている
- 連邦政府は、このようなことが起きる前に防止するための制御を適切に行っていない
- 問題は、省庁の中でセキュリティ対策が一元化されていないことで、権限を各地に分散した大型組織は、必要とされるデータ管理を行うことができないでいる
- 現在の省庁の構造では、人々に責任を持たせるための必要な権限と影響力を誰も保有していない
・Federal Computer Week(2006年6月13日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(3)カードの支出を検査するための法案を上院が満場一致で可決(6月7日)
・ここでいうカードとは、連邦政府職員に支給される、政府での物品購入に使用できるクレジットカード「Purchaseカード」のことで、毎年数十億ドルの購入がこのカードで行われているが、購入された物品やサービスがもっと安価に購入できたのではないかといった分析はほとんどなされていなかった。
・本法案では、行政管理予算局(OMB)は、次のようなことを行うことになる。
- カード保有者に対するトレーニング提供と支出データの分析
- OMBの指揮のもと、連邦調達庁(GSA)によるベンダーから割引を得られるような取組みと、省庁に対して無駄な支出を削減するためのガイダンス提供
・Federal Computer Week(2006年6月7日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(4)Financial Management Line of Business(FMLB)が批判される(6月6日)
・先月末にOMBが発行したガイダンスには、標準A-76契約規則によって示された競争フレームワークが含まれていて、このA-76規則は、民間セクタの競争に対して省庁業務の入札プロセスを規定しているものだが、今回批判するレポートを発表したのは、市場調査会社のInput社で、OMBがOMB通達A-76用の規則を明確にするまで、ベンダーはFMLBのもとでの業務の遂行を妨げられているとしている。
・問題の中心は、OMBの政策の下では、財務管理システムのコア部分をアップグレードしたい省庁はShared Service Provider(SSP)に移行するか、SSPになるか、ベンダーと契約するか、のいずれかの選択をしなければならないが、Input社によれば、SSPになるために競争をしている多くの省庁は予算の制限を受けており、予算サイクルをまたぐような効果的な長期の提案を行うことができないため、Line of Businessが、かつて期待されたほどの市場機会をもたらしていないという。
・Federal Computer Week(2006年6月6日記事)[英語サイト]
■AgileNetコラムNo.45
------------------------------------------------------------
便利なUSBメモリ、拾ったらどうする?
------------------------------------------------------------
筆者は講演会などに参加する機会が多いが、ここ数年ワシントンDCでは、講演資料としてCD-ROMのみが配布される傾向が強まっているように思える。経費削減や環境保護のためには仕方ないと思うが、紙の資料があったほうがメモも取りやすく理解度も高まるため、少し残念だ。
しかし最近、資料配付の媒体としてCDではなくUSBメモリを使った会合を続けて見かけた。会合後も外部記憶媒体として活用できるため、参加者には嬉しい気の利いたアイデアとして注目している。もっとも、そのようにして無料配布されるUSBメモリは、現在主流となっている製品と比べると10分の1以下の容量しかなく、実用性が低いので、多くは引き出しの奥に忘れ去られる運命であろう。
それでもやはり、USBメモリが路上に落ちていたら、人はつい拾って使ってしまうようだ。先日ある情報セキュリティ企業が、顧客である金融機関から依頼を受け、職場前の路上にわざとUSBメモリを落としておくという実験を行った。すると、メモリを拾った15人の職員全員が、それを職場のパソコンに接続するという結果が出た。メモリにはトロイの木馬が仕掛けられていたため、接続されたパソコンからユーザ名やパスワードを電子メール経由で集めることができたという。
このような形のソーシャルエンジニアリングでは、仕掛け人を罪に問えない可能性も指摘されている。IT面での根本的な対策が整うまでは、このような新手の罠にはまってしまわぬよう、ユーザ教育をさらに徹底するのが賢明といえそうだ。
NTT DATA AgileNet (岡田)
■ワールドレポート新着情報
------------------------------------------------------------
1.(欧州)ITプロジェクトを成功に導く調整役:COE(Centre of Excellence)(2006年6月22日)
英国では、公共セクターにおけるプロジェクトの成功率の 改善に向けて、各省内にプロジェクトマネジメント中核センター(COE:Centre of Excellence)が設置されている。 COEはプロジェクトポートフォリオを戦略的に監督・監視するとともに、省内のベストプラクティスを結集し、プロジェクト管理能力の向上とスキル開発の基盤となる機関でもある。本稿では、COEの役割、及びその具体的な設置事例を紹介する。
------------------------------------------------------------
2.(オセアニア)オーストラリアにおけるITガバナンスの組織体制(2006年6月15日)
オーストラリアでは、新たな電子政府計画を推進するため、電子政府ガバナンスモデルと呼ばれる推進体制が整備された。この体制は、予算・行政省とオーストラリア政府情報管理局(AGIMO)が中心となって、ハイレベルでかつ政府横断的な複数の組織を組み合わせたハイブリッドな組織体制である。この最新事情をご紹介する。
------------------------------------------------------------
|