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NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT メールマガジン 2005年9月22日号
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※本メールマガジンは毎月2週目と4週目にお送りします。購読は無料です。
こんにちは、 NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT編集部の村岸です。
米国からのカトリーナからの教訓のご紹介です。
被災者のケアのために電子カルテ整備の重要性が語られています。ITインフラも大打撃を受けたと聞いていますし、いろいろと出てくるであろうカトリーナからの教訓を優先的に取り上げていきたいと考えています。
そういえば、恐ろしいことに日本列島に台風がまた近づいているようですね。
■ ■ ■ インデックス ■ ■ ■
■メインレポート ・カトリーナ被害がもたらすIT政策へのインパクト(国土安全保障、医療) [DHS CTO Lee Holcomb氏] [HHS長官 Michael Leavitt氏] [HHS 全米医療ITコーディネータ David Brailer博士] [(参考)ミシシッピ州にある医療機関のCEOが電話で行った講演]
[調査結果 −8つの発見−]
■最近のニュースから
・新サービス
・市場動向
■AgileNetコラムNo.30
やめよう通勤、やめるな仕事
■ワールドレポート新着情報 1.「汎欧州情報空間」の構築に向けて−EUにおける電子政府の利用を高めるための取り組み(欧州2005年9月22日)
2.米国における電子政府利用促進 (1)−顧客満足度を高める取り組み−(米国2005年9月15日)
■メインレポート
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カトリーナ被害がもたらすIT政策へのインパクト(国土安全保障、医療)
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ハリケーン「カトリーナ」による被害状況、重大な被害を生じさせた原因や責任をめぐる議論については、日本でも大きく報道されておりますが、現時点ではどちらかというとFEMA(連邦緊急事態管理庁)をスケープゴートにしたような感情的な議論が中心であり、このような事態に備えて「国家の安全・安心をどうITでつくるべきか」といった冷静な議論はこれからのようです。このような状況ではありますが、国土安全保障省(DHS)や厚生省(HHS)の幹部がIT関連のカンファレンスでどのようなことを語っているのかを、今週はご紹介しましょう。
[DHS CTO Lee Holcomb氏]
・9月7日に行われた調査会社INPUT社が主催するカンファレンスでの発言。
・7月にChertoff長官が行ったDHSのオペレーションのトップダウンでの見直しの結果、DHSは自然災害を含めた緊急事態への対応力全般を見直す必要がある、ということになっている。現時点では対応力が十分でないと考えていたが、今回の被害がそれを証明する形になってしまった。
・今後、DHSの自然災害関連のミッションを見直し、改善の優先順位が見直されることを期待している。
・DHSは引き続きIT力を高めていく。先月すべての既存ITシステムの棚卸しを終えたところ。来年はこれら約800のシステムの認定作業を行う。そして情報共有力を引き続き改善していく、特にロールベースのアクセスが行えるようにする。
[HHS長官 Michael Leavitt氏]
・ワシントンDCで9月8日に行われた医療ITサミットにおける発言等。
・講演開始直後に黙祷。
・カトリーナ被災地を訪問した。その体験から、電子カルテシステムの重要性を再認識した。
・HHSは米国民の医療リソースに責任を持つ省庁である。その観点から何をすべきか考える必要がある。
- 災害によるメディカルレコード、処方箋、メディカルカードの紛失への対応
・避難先のドームにいる被災者から電子カルテ作成を行っている。
・シェルターの各州設置も検討の余地あり
- 緊急医療体制
・民間セクターが提供してくれた遠隔治療システムが、現地での医療提供に役立っている
- 保健衛生環境悪化への対応
・American Health Information Community(AHIC) の最重要検討事項として認識している
・1両日中に、AHICのメンバー17名を任命し、全米医療情報ネットワーク(NHIN)を構築するための原動力となる、官民協働グループを立ち上げる。実際、この講演の数日後にメンバーが発表された。
[HHS 全米医療ITコーディネータ David Brailer博士]
・上記と同じ講演で、カトリーナ被害から学んだ4つのポイントを発言。
- 医療ITは直ちに対応しなければならないトピック。
- 問題というのは次から次へ発生する。
- 安全かつ常に参照可能な個人単位のポータブルな資産(電子カルテ)が必要である。カルテは医師のオフィスにあるものではなくなる。
- 全米医療情報ネットワーク(NHIN)は緊急時どこからでも利用可能でなければならない。
・多くの被災者がカルテや医療カードを紛失し、診療に支障をきたしている。現在は、電子カルテという資産がないためにこの問題が起きている。私達がカトリーナから学んだ教訓、それは「電子カルテは命を救う」ということだ。
・NHINはとても重要である。携帯電話網の外では携帯電話が使えないのと同様に、NHINがないところでは医療情報の共有すらできない。効率よく多くの人々にこのNHINを使ってもらう事は理論ではなく「現実」でなければならない。
[(参考)ミシシッピ州にある医療機関のCEOが電話で行った講演]
・病院職員が行方不明で治療が速やかに提供できない状況にある。
・一番の問題は情報伝達ができていないことだ。
・モデレータである保険会社BlueCross/BlueShieldのAllan Korn上級副社長が、すでに現地で働く事ができる医師と看護婦を送り込んだはずだがと質問したが、やはり情報伝達がうまくいっておらず、CEOはわからないと回答した。
・ライフラインが断絶した中での治療に対し、会場からは惜しみない拍手が送られた。
【NTT DATA AgileNet(弊社米国子会社)によるコメント】
今回のカトリーナ被害は、有限の国家予算をどのような分野(テロ対策か自然災害対策か、など)、どのような地域(高所得者層中心地域、ニューオーリンズのような低所得者層中心地域か、など)、そしてどのような国家資産(ミサイルか堤防増強か、それともITインフラか、など)に配分するか決めることが、如何に難しい問題かを考えさせられました。今後、しばらく感情的な論争が続くのか、それともHHS関係者が語っているように、電子カルテシステムや医療情報ネットワーク作りが急務だというような冷静な意見が大きくなってくるのか、現段階では何とも言えません。しかし、今回の悲劇からできるだけ多くのことを学び、危機管理・防災、医療IT化推進といった観点から、日本の国家アーキテクチャ作りに役立ちそうなことを引き続きお伝えしていきたいと考えています。
上記に関連するニュース等:
・Holcomb氏、カトリーナはDHSの優先順位を変える可能性あり
Federal Computer Week(2005年9月7日記事)[英語サイト]
・Leavitt長官、カトリーナは電子カルテの必要性を実証した
Government Health IT Home(2005年9月8日記事)[英語サイト]
・医療ITはカトリーナ被害者のケアに役立つ
Federal Computer Week(2005年9月9日記事)[英語サイト]
■最近のニュースから
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新サービス
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(1)説明責任が欠如したIT支出はストップすべき(9月14日)
・下院退役軍人委員会委員長であるSteve Buyer議員は、退役軍人省(VA)における16億ドルのIT支出管理強化のために、VAのCIOに資源や予算、職員の管理権限を与えるという新たな法案を提出する意向を示した。
・現在は、IT調達の見直しと、IT調達をCIO室に集中管理させるためのヒアリング第一段階にあり、ヒアリングの結果は、VAのHealtheVet(省内の電子カルテシステム)を含む全分野に反映されることになる。
・Federal Computer Week(2005年9月14日記事)[英語サイト]
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(2)ワシントン州、都市情報システムを開発(9月14日)
・システムを受注したのは危機管理システムを開発するシアトルのPrepared Response Inc. (PRI)で、 330万ドルで受注した以前の契約では、400以上の高校のマッピングに成功し、現在は1,275の小中学校のマッピングを行っており、このシステムでは、例えば、衛星写真、平面図や有害化学物質の場所などへアクセスできるという。
・なお、提案書作成にはコンサルティングファームのMGT of Americaが参加していて、今回の契約には連邦政府から150万ドルの補助金が出されている。
・Federal Computer Week(2005年9月14日記事)[英語サイト]
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(3)国立公文書館(NARA)、電子アーカイブ化プログラム(ERA)発注(9月8日)
・ERAは連邦政府が力を入れている政府文書を電子化するプログラムで、2011年の稼動を予定しており、発注先はLockheed Martinで発注金額は3億8000万ドル、実際の開発にはEDS、BearingPoint、Science Applications International Corp、History Associatesとの共同チームで携わる。
・昨年夏にLockheed Martinは950万ドル、Harris(別企業)は1060万ドルで設計フェーズを受注し、以来1年間、熾烈な戦いを行ってきていて、最終的に前者は5段階に渡る開発、後者はハードウェアとソフトウェアの変更にも対応可能なシステムという設計書を提出し、提出された設計書はNARAで検討され、記録管理改善のために設計されたインターフェイスも持つLockheed Martinが選ばれた形となった。
・Federal Computer Week(2005年9月8日記事)[英語サイト]
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(4)州・地方政府のIT支出は増加傾向(9月6日)
・Datamonitorは、2004年会計年度には550億ドルであったIT支出が、2009年には624億ドルに到達するというレポート(支出内訳は、公衆安全、司法、ヘルスケアに集中すると予測)を発表。
・緊急事態時の対応や住民保護が可能な能力の確保が狙いで、IT導入による事務コスト削減と職員の生産性向上、事務管理部門システム改善も目的とされている。
・Federal Computer Week(2005年9月6日記事)[英語サイト]
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市場動向
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(1)GAOレポート:情報共有は査証セキュリティを強化(9月13日)
・調査の結果、米国大使館と領事館の職員、法執行機関、および情報部員間の情報共有に一貫性がないことがわかった。
・国務省(DOS)や連邦捜査局(FBI)は、査証処理用に提供する情報を増やしているが、犯罪歴の情報提供が増えれば、査証を出すかどうかの判断とテロ防止に役立つために、GAOは7つの勧告を出している。
・定期的な査証政策や手続きの変更をマニュアル反映
・大使館や領事館へ赴任した職員用の追加ガイドライン作成
・現地職員採用の総括的プラン作成
・1年以内に実施状況を議会へ提出
・査証用インタビュー申込み情報の週単位更新
・法執行機関や諜報機関と相談し、職員にテロに関するトレーニングを拡大すること
・関係機関間での情報共有の促進
・Federal Computer Week(2005年9月13日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
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(2)GAOレポート:政府業績成果法(GPRA)は浸透せず(9月12日)
・制定から12年経過したGPRAは、プログラムにいくら使ったかよりも、計画がいかに効果的であったかを省庁に意識してもらうことを想定した法案で、1997年の調査では省庁幹部が効果測定のために幅広くデータを収集していたが、今回の調査では、1997年当時からさほど進展がなく、GPRAの利点が広く普及していないことが判明した。
・今回の調査によれば、収集データに価値を見出すのは以下の3ポイント
(1)問題点を明らかにする場合
(2)問題に対し是正措置を取る場合
(3)幹部がリソース配分や優秀な職員に報酬を与える場合
で、例えば連邦航空局(FAA)では、収集データの測定結果を給与に反映させているほか、レポートでは、商務省(DOC)、労働省(DOL)、退役軍人省(VA)、中小企業庁(SBA)の4省庁で、測定データを意思決定改善に役立てたり、なにが有効なのかといった情報を他省庁共有することに役立てているか調査している。
・Federal Computer Week(2005年9月12日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
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(3)GAOレポート:国土安全保障省(DHS)、システム運用に多大な問題(9月7日)
・2004年度にDHSは、情報共有や情報セキュリティ、生産性の向上を目的としたAtlasと呼ばれるシステム構築費4000万ドルを獲得したが、調査したところDHS内の組織である移民税関捜査局(ICE)は、行政管理予算局(OMB)から義務付けられているシステム構築の費用対効果分析を行っておらず、同様にOMBの要求事項である達成目標や成果測定、セキュリティプラン、プライバシーの影響測定計画策定等も不完全もしくは計画すらなかったという。
・ICEが2003年からAtlas管理を行うことになり、法執行機関のサポートや世界規模での情報共有など、システムの目的や優先順位が変更されていき、ICEはAtlas管理のために独立したオフィスを設置したが、人員配置も運用も失敗しているといわれており、また通常は費用の19%が管理費として使われるが、2002〜2003年のAtlasプログラムでは支出の1.4%しか管理費に使われていなかったため、レポートでは、費用対効果のやり直しと更新、オペレーショナルな管理、プライバシー影響評価、セキュリティの計画と実施、性能管理を計画し実施することを勧告している。
・Federal Computer Week(2005年9月7日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
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(4)Chief Privacy Officer(CPO)のための3法則(9月5日)
・議会は昨年、各連邦省庁が最高責任者(CPO)を任命するために必要となる法案「CPO設置法案」を可決したが、議員は明確な業務内容を出来なかったが、それにもかかわらず各省庁はプライバシー侵害について議会へ報告しなければならず、また、国民が理解しやすいガイドラインも作成しなければならない。
・CPOの仕事は専門家によれば、次の3つが求められる業務内容。
(1)市民ではなく省庁の代表として振舞いなさい:もちろんCPOは市民の代表でもあるが、最終的には行政機関の職員として業務に従事することになる
(2)フェアな情報利用の基準を教えなさい:8月に大統領がサインした2006年会計年度運輸予算歳出法案には、政府職員への特殊言語教育が含まれていて、これは連邦政府プライバシー政策とデータ保護政策に従うためのもの
(3)プライバシー法を遵守しているか監視しなさい:業務内容が明確であれば責任範囲も明確になるため、遵守の監視は難しくないが、業務により他省庁と合同で監視が必要なケースもありえる
・Federal Computer Week(2005年9月5日記事)[英語サイト]
■AgileNetコラムNo.30
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やめよう通勤、やめるな仕事
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昨年頃から、意外に身近な知り合いが在宅勤務をしていることに気付く機会が多い。ワシントンDCという土地柄、彼らのほとんどは連邦政府職員、あるいはその受注業者社員である。
テレワーク推進派の官庁やテレワーク希望者が挙げるテレワークの利点の筆頭は、個人の生活の向上である。通勤に関わる費用・時間・疲労の軽減、公私のバランス改善、広い机やソファーなど快適な職場環境が実現することに加え、場合によっては(筆者の知り合いの部下のように)1,700kmも離れた町に引っ越してなお元の仕事を続けることも不可能ではない。ある民間のテレワーク支援団体は「やめよう通勤、やめるな仕事」と呼びかけている
。政府向けITベンダーであるCDW-G社の調査によると、今年4月時点で連邦政府職員の5人に1人がテレワークしているという。約35万人もの職員がテレワークしている計算になるが、同社では「たった2割」という表現を用いている。実は、連邦政府機関は「2005年までに適格者全員にテレワーク選択権を与えること」と、2000年に法律で義務付けられているのである。
「たった2割」に留まっているのはテレワークの気運が高まっていないせいかというと、そうではない。連邦職員の8割以上はテレワークを希望している(CDW-G社)し、議会は2005年度予算で5つの官庁に対して「不履行の場合は500万ドルの罰金を科す」としている。人事管理局・連邦調達庁・環境保護局・エネルギー省はテレワークを促進するウェブサイトを開設しており、民間側もテレワーク情報サイトやコンサルタントを用意して支援している。2005年を境に一気にテレワークが普及する可能性も高く、今後の動向に要注目だ。
なお、ハリケーン「カトリーナ」による被害を受けて、テレワークがもたらすCOOP(業務継続性)向上という面も評価されている。この点については、後日危機管理の面から考察したい。
NTT DATA AgileNet (岡田)
■ワールドレポート新着情報
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1.「汎欧州情報空間」の構築に向けて−EUにおける電子政府の利用を高めるための取り組み(欧州2005年9月22日)
本稿では、EUの電子政府構築イニシアチブである「eEurope2005」によって進められている公共サービスのオンライン化の進捗状況や、2005年6月に発表された次期イニシアチブである「i2010」における電子政府サービスの利用を高めるための取り組みの計画の概要を紹介する。
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2.米国における電子政府利用促進 (1)−顧客満足度を高める取り組み−(米国2005年9月15日)
連邦政府は、電子政府をより多くのユーザに利用してもらうため、マーケティング活動の一環として、ACSIなどの指標の利用、フォーカスグループを通じたヒアリング調査、ログ分析によるユーザ要望と実際の電子政府機能のギャップの把握に努めている。今回は、OMBによってその実施が義務付けられるようになった、顧客満足度とユーザビリティ向上のための取り組みを紹介する。
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