|
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT
メールマガジン 2005年8月11日号
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
※本メールマガジンは毎月2週目と4週目にお送りします。購読は無料です。
こんにちは、NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT編集部 蝶野です。
ご愛読ありがとうございます。東京はしばらく暑い日が続いておりますが、お元気にお過ごしでしょうか。
ブッシュ大統領が政策の優先事項のひとつとして推し進めている医療のIT化ですが、今回は全米医療情報ネットワークの構築コストについて興味深い研究結果が発表されましたのでご紹介します。
■ ■ ■ インデックス ■ ■ ■
■メインレポート
・全米医療情報ネットワークのコスト、5年間で推定1560億ドルと発表
[コスト研究が推進された背景]
[今回発表された「Annals of Internal Medicne」の研究概要]
[有識者の反応]
[参考: カナダ・イギリスの動き]
■最近のニュースから
・新サービス
・市場動向
■AgileNetコラムNo.27
「変わらなきゃ」
■ワールドレポート新着情報
1.オーストラリアで進む公共部門へのBCM導入(アジア・オセアニア2005年8月11日)
2.防災・危機管理−地域の力を活かした防災力の向上−- 安井潤一郎(全国商店街震災対策連絡協議会理事長・早稲田商店会会長・稲毛屋社長・内閣府中央防災会議専門調査会委員)-(有識者インタビュー2005年8月4日)
■メインレポート
------------------------------------------------------------
全米医療情報ネットワークのコスト、5年間で推定1560億ドルと発表
------------------------------------------------------------
8月1日に開催された第31回日本政府IT戦略本部会議議事資料によると、2006年以降の新戦略として、デジタルデバイドの解消や教育現場でのIT利用とともに、医療のIT化を促進する方向に向かいそうです。そんな中、米国では、全米を繋ぐ医療情報ネットワークの構築コストについての研究結果が発表されました。今回はこの研究結果をその背景や有識者の反応を交えてご紹介しましょう。
[コスト研究が推進された背景]
・2004年12月に発行された「Medscape General Medicine」におけるCommonwealth Fundの先行研究で、1837人の米国医師のうち56%が医療ITの初期投資が主な障壁であると回答しているように、医療情報ネットワーク構築実現のためには、シビアなコストマネジメントが不可欠であるという認識があった。
・さらに、医療IT化コストは米国連邦議会でも問題となっている。ブッシュ政権は2006年度予算で医療ITに1億2500万ドル要求しており、下院は全額承認したが、上院は9500万ドルしか承認していない。今後の上下院の協議ではこの金額の違いが論点となることは間違いなさそうである。
[今回発表された「Annals of Internal Medicne」の研究概要]
・全米医療情報ネットワーク構築費用は5年間で1560億ドルと推定、また年間ネットワーク費用を480億ドルと設定している。これらの数字自体も驚きだが、「全米医療情報ネットワークのコスト」と題されたこのレポートでは、「資本コストの1560億ドルというのは、5年間の医療支出の2%を占める」と述べている。
・これらの見積りは、米国厚生省全米医療ITコーディネータであるDavid Brailer博士、全米Quality Health Care委員会委員長およびCEOのJanet Corrigan氏、eHealth InitiativeのJanet Marchibroda氏を含む医療ITのエキスパートによって行われた。
[有識者の反応]
・The Commonwealth Fund代表のKaren Davis氏は、この費用見積り研究について「本当にハイパフォーマンスな医療システム構築目標を認識する重要なステップだ」と述べている。
・また、「連邦政府は、医療IT化への動きの減速している『コストと標準化の問題』を解決するための重要な役割を担っている」と、「Medscape General Medicine」の主執筆者であるAnne-Marie Audet博士は語っている。
[参考: カナダ・イギリスの動き]
・カナダは今後10年間の医療IT化費用として、10億ドル以下の連邦政府補助金を予定している。この事業は、連邦政府が後援するNPO、Canada Health Infoway(CHI)という組織を通して行われる。
・また、イギリス国民保健サービスは、2010年まで国内5000万人患者のカルテを電子化するために、Connecting for Healthプロジェクトに毎年20億ドルを10年間に渡り費やす予定である。
【NTT DATA AgileNet(弊社米国子会社)によるコメント】
5年間で1560億ドルが現実に即した数字である場合、
・官民のそれぞれが負担する費用の割合
・5年で構築できなかった場合の追加費用
等、考えねばならない問題が次々と浮かび上がってきます。また1560億ドルという高額投資に見合ったベネフィットを誰がどういった形で受け取ることが可能なのかといった視点からの研究も今後なされてくるでしょう。これまでどちらかというと民主導で進んできた米国医療システムが、今回の研究をどのように受け止めるのか、これからも注目していきたいと思います。
上記に関連するニュース等:
・医療情報ネットワークコストは5年間で1560億ドルと推定(8月1日)
Government Health IT Home[英語サイト]
■最近のニュースから
-------------------------------------------------------------
新サービス
-------------------------------------------------------------
(1)人事院、Monster Government Solutions Web servicesと契約(8月2日)
・人事院は政府機関求職ウェブサイトメンテナンスをMonster Government Solutions(MGS)と2700万ドルにのぼる契約を結んだが、2ヶ月前国土安全保障省(DHS)はDHS税関・国境防護局他2局に提出された23万を越える利用者データへのアクセスを不能にしたため、MGSとの契約を解約したばかり。
・先週、人事院のディレクター、Linda Springer氏はMGSとの関係を継続すると発表したが、パフォーマンスベースの契約により、連邦政府人事サービスの信頼性や雇用プロセス改善のため、MGSには新技術を利用した絶え間ない改革を要求する事になる。
・Federal Computer Week(2005年8月2日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)疾病対策センター、ベリングポイントとの契約を拡大(8月2日)
・2002年10月以来CDCのテロ対策・危機対応室(COTPER)をサポートしていたベリングポイントは疾病対策センター(CDC)テロ対策室へのサポートを拡大する。
・今回の契約は5年間で最高1500万ドルで、サポート内容は以下の通り
- 現在稼動中の115個のプロジェクト管理、評価および報告
- 戦略立案実行と監視
- 政策、手続き、パフォーマンス指標等の標準化
- ウェブサイト構築
となっている。
・Government Health IT Home[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(3)Webベースシステムで放射性物質を追跡(7月29日)
・原子力規制委員会(NRC)は、医療、産業、研究分野で用いられる放射性物質を追跡する全米規模でのWebベースのシステム開発を提案している。
・この追跡システムは、放射能の副産物や他の放射性物質の安全を確保することが目的で、この提案では、放射性物質取り扱いライセンス保有者がそれらの物質に関する初期情報を提供し、一年に一度システム上の情報と在庫とを検証し一致させることになっている。
・Federal Computer Week(2005年7月29日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(4)ブッシュ大統領、医療ミスDB構築に関する法律に署名(7月29日)
・7月29日ブッシュ大統領は、患者の安全性に関する組織と医療ケアプロバイダが自主的に報告する医療ミスに関するデータを蓄積するネットワーク化されたデータベース群の設置を要求している、2005年の患者の安全性と品質改善法に署名した。
・データベースに入力される情報は匿名となっていて、この法律は、米国では年間98000人が医療ミスで死亡していると1999年に発表されたレポート「人は過ちをおかすもの」から生まれた。
・Government Health IT Home[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
市場動向
-------------------------------------------------------------
(1)商務省、Red Hat Enterprise Linuxの包括購買契約(BPA)を結ぶ(8月3日)
・商務省は1990年代中ごろからLinuxを導入していたが、今回の契約は省内のコストを削減すると同時に効果をより高める事が目的で、契約期間は2008年5月31日まで、総費用は8億円を予定。
・この契約に含まれる省庁はBPAが利用可能であり、それら省庁には国勢調査局、米国海洋大気庁をはじめ15の省庁が含まれている。
・Federal Computer Week(2005年8月3日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(2)GAOレポート:2010年の国勢調査の準備が整っていない(8月1日)
・GAOは、国勢調査局が必要要員を詳細に検討しなければ、2010年の定例国勢調査は問題を引き起こすだろうと警告した。
・国勢調査のラインマネージャが欠員補充中のため、「ラインマネージャ以上の上級幹部が、重要な役割を担う職員を確保しなければ、調査局に2010年の国勢調査実施に必要な体制ができているか見通しが不透明」とレポートで報告されており、事実、2000年国勢調査で必要以上の高コストとなったのは、契約や計画を担当する職員トレーニングを怠ったため、とGAOは指摘している。
・Federal Computer Week(2005年8月1日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
-------------------------------------------------------------
(3)ロッキードマーチン、IT部門が成長エンジンに(7月26日)
・連邦政府IT市場でNo.1のロッキードマーチン社は、第2四半期の業績を発表し、売上は93億ドルと前年同期の88億ドルから6%伸び、この伸びの大きな要因が同社のシステム・IT部門であり、業績も前年の41億ドルから48億ドルへと17%伸びている。
・同社上級副社長兼CFOのChris Kubasik氏によると、同部門はビジネスプロセスアウトソーシングを成長分野として力を入れており、2003年にACS社の連邦政府向け部門を買収したのもBPOに力を入れるためとしていて、実際、同社は今年初めに連邦航空局から19億ドルのBPO契約を受注している。
・Federal Computer Week(2005年7月26日記事)[英語サイト]
-------------------------------------------------------------
(4)GAOレポート:Share-in-Savingsは利用されていない(7月26日)
・2002年電子政府法で Share-in-Savings契約(省庁がコントラクターにコスト節約額に応じて支払う契約)が認められてから2年以上経つが、OMB(行政管理予算局)はガイドラインや運用規則を発表しておらず、ほとんど利用されていない。
・OMBは規則やガイダンスをそのうち発表するとしているが、連邦省庁が同契約を利用しない理由として挙げた主なものは次の通り:
- 運用規則の欠如
- ベースラインコスト算出の難しさ
- 十分なROIが得られないという信念
- 契約解除や中止に伴う費用の問題。
・Federal Computer Week(2005年7月26日記事)[英語サイト]
・The Government Accountability Office[英語サイト・PDFファイル]
■AgileNetコラムNo.28
------------------------------------------------------------
停電で実感した「現代のライフライン」
------------------------------------------------------------
ワシントンDCの夏は非常に暑い。温度・湿度とも東京と同じように高くなり、体感温度はしばしば摂氏40度を超す。DCの夏でもうひとつ特徴的なのは、夕立と雷雨だ。今年は夕立の数はそれほどでもない気がするが、雷雨は平年通り多い。
その雷雨のせいで先日、DC北部一帯が24時間以上にわたって停電となった。2万世帯以上に影響が出、交差点の信号機が止まって警官が交通整理に追われるほどの大規模な停電である。幸い筆者宅は電気が使えないという事態は免れたのだが、ケーブルテレビやケーブル経由のインターネット・サービスは、経路上で障害が起きたために不通となってしまった。テレビやネットのない1日はとても静かだった。それはそれで悪くないとも感じたのだが、実際には、停電の回復状況を報じるニュースを観られない・食事に出ようと思ってもレストランの下調べができない、といった不便の方がより大きかった。買い物に出かけると、クレジット・カードが使えないとのこと。また薬局では、データベースを確認できないためか、薬の購入を断られた。
実はこの日、関東地方で大きな地震があったのだが、もちろんそんなこととは知らず、無事を知らせる家族からのメールを翌日に読むという間の抜けた話になってしまった。深刻な被害がなかったから笑い話で済むが、もっと大きな地震が起きていたとしたら、と考えるとぞっとする。また、大災害やテロの発生が原因だったなら、生活への影響はこの程度では済まなかっただろう。
「10年ひと昔」というが、インターネットの世界で10年前といえば、「インターネットを商用に使うのはいかがなものか」という意見さえ残っていたのではなかったか。いま、インターネットに信頼性を求めるのは筋違いではあるが、10年後にはインターネットもライフラインの1つになっているに違いない、と考えさせられる出来事だった。
NTT DATA AgileNet (岡田)
■ワールドレポート新着情報
------------------------------------------------------------
1.(アジア・オセアニア)オーストラリアで進む公共部門へのBCM導入(2005年8月11日)
電子政府の早期実現国であるオーストラリアは、公共部門のIT依存度の高さがしばしば指摘されるところであるが、行政サービスを提供する上で、ITによる恩恵の大きさと何らかの危機が生じた際のリスクの高さは表裏一体である。このことから、昨今同国がその導入を強化している「Business Continuity Management(事業継続管理手法)」について、日本の一歩先を行くその取組みの概要を紹介する。
------------------------------------------------------------
2.(有識者インタビュー)防災・危機管理−地域の力を活かした防災力の向上−- 安井潤一郎(全国商店街震災対策連絡協議会理事長・早稲田商店会会長・稲毛屋社長・内閣府中央防災会議専門調査会委員)-(2005年8月4日)
安井潤一郎氏は、環境を切り口とした早稲田地区の商店街の活性化に取り組み、全国から大きな注目を集める。さらに、まちづくりをテーマとして、地域交流を深めていく中で、全国商店街震災対策連絡協議会を設立し、「楽しくて、儲かる震災対策」を掲げて、全国的なつながりへと発展させている。今回、震災対策としての安心・安全に果たす民間企業(商店街)の役割とその力を活かした防災力を向上させる方策について語って頂いた。
------------------------------------------------------------
|